自宅をリノベーションするなら、見た目だけでなく性能もグレードアップしたいですよね。しかし、高性能住宅へのリノベーションを考えているものの、メリットや費用相場のイメージを掴みきれず決断に踏み切れない方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、高性能住宅の「リノベーション」について、次のポイントを中心にお伝えします。
・高性能住宅へのリノベーションのメリット・デメリット
・高性能住宅のリノベーションの費用相場
・高性能住宅リノベーションの費用を抑えるコツ
ぜひ本記事の内容を参考に、ご自身が考えるリノベーション構想にお役立てください。
高性能住宅リノベーションとは、文字どおり、既存の住宅を「高性能」に改修することです。壁や床に断熱材を入れたり、性能の高い省エネ設備を導入したりといった施工をおこないますしかし、高性能住宅と聞くと「新築」「注文住宅」のイメージがあり、リノベーションで実現できるのか?と疑問に思う方も多いでしょう。
結論、高性能住宅へのリノベーションは可能です。方法としては、主に「高断熱リノベーション」と「高気密リノベーション」に分かれます。
住宅の「断熱性」を高めるためのリノベーションです。天井や壁、床などの断熱材が劣化していたり、元から断熱材が入っていなかったりする場合、新たに断熱材を入れる工事をおこないます。
ただし、場所によって工事の難易度が変わるので要注意。天井や床は比較的容易ですが、「壁」はどのような状態でも一度取り壊す必要があるため、工事が大掛かりになるうえコストもかかります。
住宅の「気密性」を高めるためのリノベーションです。ただし、高断熱リフォームと比べて難易度が高く、ほとんどの場合、部分的なリノベーションでは実現できません。理由は「隙間がある」ためです。既存住宅には全体に少しずつ隙間があるため、新築と比べて気密性を高めることが難しくなります。
部分的なリノベーションでは難しいですが、「フルリノベーション」であれば全体の隙間を埋めることができるため、高気密リノベーショの実現が可能です。
高性能住宅にリノベーションすることには、次のようなメリットがあります。
・オールシーズン快適に過ごせる
・光熱費を安く抑えられる
・洗濯物が乾きやすい
・防音効果が高い
高性能住宅へのリノベーションによって、オールシーズンいつでも快適に過ごせるようになります。
高断熱・高気密施工をおこなうことで、夏は涼しく、冬は暖かい住み心地を実現可能です。住宅を丸ごとリノベーションすれば、どの部屋でも温度差がなくストレスフリーで過ごせます。また高性能リノベーションは、住宅の構造に負担をかけずに実施できるため、家が長持ちするのもメリットです。
高性能住宅は、そうでない住宅に比べて光熱費が安い傾向にあります。
断熱性や気密性がほとんどない築30年以上の住宅と比べると、さらに光熱費の差は広がります。住宅の築年数や広さなどによってムラはあるものの、高性能住宅とそうでない住宅において、年間10〜15万円程度、光熱費に差が出るといわれています。
部屋干しの洗濯物が乾きやすいのも、高性能住宅の大きなメリットです。
築年数が古い、高断熱・高気密処理が行われていない住宅の場合、部屋干しによって部屋がジメジメしてしまい、結露やカビが発生しやすくなります。これらの環境では洗濯物も乾きにくく、乾いたとしても生乾きの臭いが出てしまうでしょう。その点、高断熱・高気密が施された住宅では、温度や湿度も一定に保たれやすく、部屋干しでも洗濯物がカラッと乾きます。
防音効果が高いのも、高性能住宅の大きなメリットです。
防音性は、住宅の「気密性」に左右されます。気密性が低いと、住宅内のあらゆる隙間から空気が出入りするため室内から音が漏れ、外からも音が入りやすくなります。その点、気密性の高い高性能住宅では、住宅全体の隙間を最小限に抑えるため、空気の出入りをプロック可能です。
高性能住宅へのリノベーションには、メリットがある反面デメリットもあります。とくに次の点には注意しましょう。
・イニシャルコストが高い
・夏は熱がこもりやすい
高性能住宅リノベーションの代表的なデメリットとしてあげられるのが、イニシャルコスト(=施工費用)の高さです。
一般的なリノベーションの費用相場は、1平方メートルあたり10〜20万円程度ですが、「高性能」となると、さらに費用は上がります。施工の内容や範囲によりますが、1,000万円以上かかるケースも珍しくありません。新築と変わらない性能にするためにフルリノベーションをおこなえば、さらに費用は大きくなるでしょう。
高性能住宅はオールシーズンで快適性を保てるとお伝えしましたが、「夏」は注意が必要です。
高断熱・高気密住宅は、一度部屋に入った熱を逃がしにくい性質があります。そのため、窓から入る直射日光の熱や、人や家電が放出する熱などによって、部屋に熱がこもる場合があるのです。
ただし外気温の影響は受けにくいので、エアコンなど冷房設備を使って一度温度を調節すれば、その後は快適に過ごせます。
高性能住宅へのリノベーションをおこなった場合、どの程度費用がかかるのでしょうか。「高断熱リノベーション」「高気密リノベーション」それぞれの観点から、費用相場を解説します。
高断熱リノベーションでは、天井や床、壁など断熱材が入っている部分、あるいは新しく断熱材を入れる箇所に対してリノベーションをおこないます。費用相場は、断熱材を入れる場所によって大きく変動します。
・天井:5,000円〜/1平方メートルあたり
・床:5,000円〜/1平方メートルあたり
・壁:10,000円〜/1平方メートルあたり
天井や床は、既存のものを残したまま断熱材を入れられますが、壁は一度取り壊す必要があるため、難易度とコストが高いです。取り壊し範囲によっても費用が大きく変動します。
高気密リノベーションは、壁や断熱材をすべて取り払ってから着工する「フルリノベーション」が前提となります。費用相場は500万円以上で、工期も2ヶ月以上を見ておく必要があるでしょう。土地や建物の大きさ、施工規模、工事に求めるクオリティによっても金額は大きく変動します。
また、フルリノベーションをおこなう場合は現地調査も必須です。
一般的な住宅から高性能住宅へのリノベーションには多大な費用がかかります。場合によってはフルリノベーションが必要となり、1,000万円以上かかることも珍しくありません。
ここでは、高性能住宅へのリノベーション費用を抑えるコツをご紹介します。
建物の調査をしっかりとおこない、「本当にリノベーションが必要な箇所はどこなのか」を明確にしましょう。当然ながら、施工範囲が小さくなるほどコストは抑えられます。断熱加工や取り壊しは一般的なリノベーションと比べて大規模になりやすいので、慎重に施工範囲を見極めましょう。
高性能リノベーションでは、天井や床、壁に注目しがちです。たしかに、それらをリノベーションすることで断熱性・気密性は高まります。しかし、とくに冬場は「窓」や「玄関」から暖気が漏れてしまう場合もあることを理解しておきましょう。
せっかく天井や床、壁をリノベーションしたのに、窓や玄関から空気が逃げてしまっては本末転倒です。後々の光熱費が安くなることを踏まえると、同時に窓や玄関のリノベーションも検討するのがおすすめです。
高断熱・高気密な高性能住宅へのリノベーションに対して、補助や助成をおこなう制度があります。たとえば、国土交通省や経済産業省による「住宅省エネ2024キャンペーン」や、東京都の「既存住宅省エネ改修促進事業」などです。
これらの補助金は、天井や壁、床に対して省エネ効果が見込まれる施工や、省エネ性の高い設備を導入する際などに適度されます。他にも国や各自治体で実施している補助金・助成金は多いので、高性能住宅へのリノベーションを考えている方は、利用できる制度があるか確認することをおすすめします。
高性能リノベーションには「高断熱」と「高気密」の2つの方法があります。高断熱リノベーションは比較的容易ですが、高気密リノベーションは難易度とコストが高い傾向があります。
高性能住宅リノベーションには、年中快適に過ごせる、光熱費が安い、防音性が高いなどのメリットがあります。その一方で、イニシャルコストが高く、費用を抑えるためには施工範囲を限定する、補助金や助成金を活用するなどの工夫が必要となるでしょう。
高性能住宅リノベーションは多大な費用がかかるものの、ストレスフリーな生活や光熱費が安く済むなど、長期的には費用以上に大きなメリットをもたらしてくれます。国や自治体による補助金・助成金も公開されているので、それらも活用しながら、理想の高性能住宅にリノベーションしましょう。
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