東京都と横浜市に隣接する場所に位置する川崎市。JR線や東急線など多くの鉄道路線が通っており、都心へのアクセスもスムーズです。
そんな川崎市内で家を建てようと検討しているものの、土地の相場がわからず悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。そこで本記事では、川崎の土地価格の相場をご紹介。区ごとの土地の平均価格をはじめ住宅価格、家を建てる流れまで詳しく解説します。
注文住宅を建てる際、土地探しから始める方も多いでしょう。土地を購入するにあたり、価格は非常に重要な問題となります。
川崎の土地価格は年々上昇しています。川崎市が公開している「川崎市の地価情報(令和6年地価公示)」をもとに計算すると、住宅地における市全体の平均は「304,171円/平方メートル」という結果でした。区ごとの土地価格は次のとおりです。
川崎市内の区 | 平均価格(円/平方メートル) |
---|---|
川崎区 | 301,300円 |
幸区 | 340,200円 |
中原区 | 433,200円 |
高津区 | 325,500円 |
宮前区 | 264,300円 |
多摩区 | 250,100円 |
麻生区 | 214,600円 |
全体平均 | 304,171円 |
参考:令和6年地価公示 平均価格・平均変動率一覧表 | 川崎市
土地の平均価格がもっとも高い「中原区」で433,200円、もっとも低い「麻生区」で214,600円と、最高値の区と最安値の区で20万円以上の差があります。いずれも1平方メートルあたりの平均価格なので、住宅が120平方メートルだった場合、中原区は約5,198万円、麻生区は約2,575万円です。中原区の場合、土地だけで5,000万円を超えるため、これに注文住宅の建築が加わると、1億円以上になる場合もあるでしょう。
土地価格の推移を川崎区で比べると、令和4年では「286,000円」、令和5年では「292,200円」、令和6年では「301,300円」と上昇傾向です。他の区も同様に、年々上昇を続けています。
参考:令和5年地価公示 平均価格・平均変動率一覧表 | 川崎市
参考:令和4年地価公示 平均価格・平均変動率一覧表 | 川崎市
ここまで川崎の土地価格をお伝えしましたが、一方で住宅価格はどのような相場となっているのでしょうか。まずは次のデータをご覧ください。
川崎市内の区 | 住宅の価格相場 |
---|---|
川崎区 | 4,790万円 |
幸区 | 5,480万円 |
中原区 | 6,280万円 |
高津区 | 5,275万円 |
宮前区 | 4,900万円 |
多摩区 | 4,555万円 |
麻生区 | 5,230万円 |
参考:アットホーム
住宅価格が高い順に、中原区(6,280万円)、幸区(5,480万円)、高津区(5,275万円)となっています。もっとも低いのは多摩区で、4,555万円です。ただし、上記のデータはあくまで価格相場なので、建てる住宅によって金額に差はあります。面積や機能、設備、建材などによって住宅価格は大きく変動するので、それらを考慮したうえで価格相場を参考にしてください。
先述した川崎市の「土地価格」と「住宅価格」の2つを足した相場を見てみましょう。
川崎市内の区 | 土地の平均価格 | 住宅の価格相場 | 合計金額 |
---|---|---|---|
川崎区 | 約3,615万円 | 4,790万円 | 約8,405万円 |
幸区 | 約4,082万円 | 5,480万円 | 約9,562万円 |
中原区 | 約5,198万円 | 6,280万円 | 約11,478万円 |
高津区 | 約3,906万円 | 5,275万円 | 約9,181万円 |
宮前区 | 約3,171万円 | 4,900万円 | 約8,071万円 |
多摩区 | 約3,001万円 | 4,555万円 | 約7,556万円 |
麻生区 | 約2,575万円 | 5,230万円 | 約7,805万円 |
※住宅面積120平方メートルで計算
参考:令和6年地価公示 平均価格・平均変動率一覧表 | 川崎市
参考:アットホーム
土地価格・住宅価格ともに相場が高い中原区では、1億円を超えることが予想されます。住宅の間取りやデザインをこだわりたい場合は、相場以上の金額となる可能性が高いでしょう。
予算とこだわりのバランスを考え、現実的に考える必要があるといえます。
川崎市内に家を建てたいけれど、まず何から始めるべきか、どのようなステップで進めるべきかわからない方もいらっしゃるかと思います。ここでは、家を建てる基本的な流れをご紹介します。
具体的な流れは次のとおりです。
まずは、住宅建設を依頼する「建築会社」探しです。インターネットで「〇〇(周辺地域) 工務店」「〇〇(周辺地域)ハウスメーカー」などと検索すると、自宅の周辺地域にある建設会社がヒットします。
なかには「建設」だけでなく「土地探し」に対応している建築会社もあるので、土地がない方は同時に土地探しを依頼してもよいでしょう。複数の建築会社をピックアップしたら、モデルハウスを見学するのがおすすめです。見学することで、スタッフに直接質問できたり、内覧によって住宅のリアルな質感がわかったりします。
土地がない場合は土地探しも必要です。建築会社が土地探しをしてくれるケースもありますが、そうでない場合もあります。その際は、不動産会社や不動産情報サイトで土地をリサーチしましょう。
とくに人気エリアは競争が激しいので、不動産会社に直接聞きに行ったり、不動産情報サイトをこまめにチェックしたりして、最新の土地情報が入るようにしておくのがおすすめです。一度不動産会社を訪問しておくと、担当者から最新情報が入ることもあります。
土地探しと並行して、建築会社に見積もりを依頼します。ここでは大まかな間取りや資金計画のプランニングを実施します。建築会社との認識の相違がないよう、あらかじめ要望をしっかりと伝えることが大切です。
要望が伝わっていないと、実際の金額が見積もりよりも高額になる可能性もあります。そうしたトラブルを防ぐためにも、要望や条件をリストアップし、確実に伝えましょう。
次に住宅ローンの事前審査です。事前審査では、本人の与信(仕事や年齢、返済能力などによる信用)を見られ、後の本審査でさらに細かい情報をチェックされます。審査は金融機関がおこない、事前審査に通らなければ本審査に進めません。
事前審査は土地の購入検討中でも申し込み可能です。建築会社や土地が決まった時点ですぐに事前審査に申し込みましょう。
間取りやデザイン、設備など具体的なプランを決めます。後にプラン変更も可能ですが、その場合、変更契約の手続きが必要なので、手順をスムーズに進めるためにも、この時点で詳細まで決めておきましょう。
工事請負契約とは、建築会社による「住宅の完成」に対して、購入者が「報酬」を支払う契約です。契約時に申込金が発生する場合があるので、あらかじめ建築会社に確認しておきましょう。一般的に申込金は建築費の10%以下とされています。
プランが完成し、工事請負契約を結んだら、いよいよ建築会社による工事が始まります。基本的に購入者は住宅の完成を待つのみですが、騒音や振動などが迷惑になる可能性があるので、周辺住民へ挨拶しておくとよいでしょう。挨拶は建築会社がおこなってくれる場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
工事完了後、現場監督が完了検査や竣工検査をおこないます。検査が済んだ後に「検査済証」が発行され、購入者に住宅が引き渡されるのが一般的です。
住宅が引き渡される際には、購入者が現場監督や担当者とともに住宅の内外部を見ながら、不備がないか確認します。間取りや設備、機能などの説明もされることが多いでしょう。
最後に、注文住宅を建てる際に押さえておきたい基礎知識をQ&A形式でご紹介します。
工務店と建築会社はほとんど同義です。ただし、工務店=地場に根付いた会社、建築会社=工務店よりも大きい規模の会社、といったニュアンスの違いがあります。一方のハウスメーカーは、強いブランド力や自前の生産設備をもっている全国規模の建築会社、を意味します。
家を建てる土地は「幅員4m以上の道路に2m以上接している」ことが原則です。この他にも、電気や水道などインフラが引かれているか、農地なら住宅地に転用できるかなどの確認が必須となります。銀行や病院、学校などにアクセスしやすいか、地盤がしっかりしているかなどについてもチェックしましょう。
住宅ローンの種類は主に3つです。
住宅ローンの種類 | 内容 |
---|---|
民間融資 | 銀行や信用金庫、生命保険会社など民間の金融機関が提供している住宅ローン。金利のタイプや利率の選択肢が多い。 |
フラット35(協調融資) | 金利が全期間固定型で、頭金のかからないフルローンを組める。 |
財形住宅融資(公的融資) | 給与やボーナスなどから自動天引きする「財形貯蓄」をおこなっており、一定の条件を満たした人が利用できる融資。上限は4,000万円。 |
本記事では、川崎市内の土地価格や住宅価格について次のポイントを中心にお伝えしました。
川崎の土地価格は年々上昇を続けており、住宅と合わせると1億円を超えるケースもあります。ただし住宅価格はエリアや間取り・デザインによって大きく変動するので、建設会社との綿密なコミュニケーションや相見積もりによって、費用を抑えることも可能です。ぜひ本記事の内容を、ご自身の土地探しや住宅建築にお役立てください。
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