家の購入を検討する際には、まず「新築」と「中古」どちらを選ぶかを決める必要があります。家を買うのは一生に一度といっても過言ではなく、後悔しない選択をしたいですよね。
そこで本記事では、新築住宅と中古住宅それぞれのメリットとデメリットを紹介したうえで、判断基準を解説します。なおこの記事では、「一軒家」における新築と中古を比較しています。なお新築は「注文住宅」と「建売住宅」の両方を含んでいます。新築と中古どちらにすべきか悩んでいる方や、どのように選ぶべきかをを知りたい方は参考にしてください。
結論として、新築と中古では「新築」の方が売れています。住宅ローンのひとつである「フラット35」のデータを見ると、新築に分類される「注文住宅」「土地付き注文住宅」「建売住宅」を購入した利用者の割合が全体の67%、対して中古の「中古住宅」は24.7%でした(2021年の調査)。
住宅ローンを利用したユーザーに限っては、新築と中古における購入者は「新築」の方が多いといえます。
現時点では新築の方が売れている現状がありますが、次のような理由で、中古需要も伸びていくことが予想されます。
さまざまな社会情勢や経済状況によって、木材や鉄など原材料が高騰しています。これから新築住宅を建てる場合、これまで以上に費用がかかるため、「中古にしよう」と検討するケースが多くなることが考えられます。
また、少子高齢化などによる空き家の増加も大きな理由のひとつです。平成30年時点で、空き家率13.6%という数字に。空き家を活用した中古住宅の選択肢が増え、新築よりも中古を選択する人も増えていく可能性があるでしょう。
まずは新築住宅のメリットを見ていきましょう。具体的には次のようなメリットがあります。
新築の最大のメリットともいえるのが、建物や設備の新しさです。誰も住んだことのない建物、使われていない設備を使えます。
住宅によってスペックは異なるものの、断熱性や遮音性など住宅性能が高かったり、最新の設備が揃っていたりします。人が住んだことのない家に住むことは、精神的な高い満足度につながるでしょう。
住宅ローンをはじめ税制優遇を受けられるのも新築住宅のメリットです。新築住宅は中古と比べて、住宅ローンの控除額が大きかったり、適用期間が長かったりします。
不動産を所有している人に納税義務のある「固定資産税」も、新築だと購入後3年間は税金が半額になります。他にも登録免許税や不動産取得税など恩恵を受けられる税はさまざまです。
注文住宅・建売住宅ともに新しい工法や技術が用いられているので、住宅性能が高いこともメリットです。耐震性や防火性など安全面はもちろん、断熱性や遮音性などの性能面にも優れています。
たとえば、断熱性や気密性が高ければ年中を通して快適に過ごせますし、遮音性が高ければ騒音によるストレスが少なく済むでしょう。今から建てる・あるいは直近で建てられた住宅であれば、数十年前に建てられた中古住宅と比べて安心です。
アフターサービスの充実度も新築のメリットです。新築住宅には「10年間の保証」が法律で定められています。具体的には、構造耐力上主要な部分等と、雨水の浸入を防止する部分の補修や損害賠償です。
これらの不具合が起こった場合、10年間以内は売主による保証が義務化されています。他にもハウスメーカーや建設会社によっては、定期点検や無償修繕、コールセンターによるトラブル対応の保証がついている場合もあります。
新築にはメリットが多い反面、デメリットもあります。主に次の2つがあげられます。
新築住宅のデメリットとして、価格が高いことがあげられます。これは建物や設備が新しいから、だけでなく、「新築だから」という理由で10〜20%が上乗せされているのです。
また、中古住宅の価格は需要と供給の市場バランスによって決まります。対して新築住宅(主に注文住宅)は、モデルルームの設営費や広告費がかかるため、その分のコストが上乗せされているのです。
新築住宅は、まだ誰も住んだことのない家なので、実際に暮らすイメージが湧きにくいデメリットもあります。とくに注文住宅の場合、設計図や間取り図を見ただけではイメージを掴みにくいです。いざ完成した住宅に入ってみると、思い描いていた住宅と違ったり、動線が悪く不便を感じたりするかもしれません。
ここまで新築住宅のメリットとデメリットをお伝えしましたが、続いて中古住宅を見ていきましょう。まずは中古住宅のメリットをご紹介します。
中古住宅の最大のメリットともいえるのが、価格の安さです。住宅のスペックや広さ、立地によって相場は異なりますが、1,000万円台で購入できる物件も多いです。
「空き家」を購入すれば、さらに安く済むケースも。新築と同じ価格で考えた場合、より良い立地で、広い住宅を選べるため、住宅の選択肢が一気に広がります。
中古住宅とはいえ、さまざまなエリア・場所で売りに出されているため、立地の選択肢は多いです。新築住宅だと、利便性の高いエリアの土地が高くて予算的に諦めざるを得ないケースも少なくありません。中古住宅を視野に入れれば、利便性の高いエリアでも、新築よりも安く購入できます。
中古住宅は物件の購入費用を抑えられる分、リフォームやリノベーションにお金を使えます。予算次第で、好きな間取りにカスタマイズできたり、最新設備を導入したりすることも可能です。
大規模なリノベーションをおこなえば、新築と変わらない快適な家にできます。低コストで自分に合った住まいが手に入ると考えれば、新築の建売住宅を買うよりもメリットがあるでしょう。
続いて、中古住宅を購入する際のデメリットを解説します。特に気をつけたいのは次の3つです。
中古住宅は人が住んでいた物件なので、劣化が進んでいます。実際に住み始める前に修繕しなければならないケースも少なくありません。その場合は修繕コストがかかります。
外壁・屋根・防水・設備の入れ替えなど、必要な修繕工事はさまざまです。防蟻対策については、5年ごとに15万円程度の修繕費用がかかるといわれています。
中古住宅をリフォーム・リノベーションする場合、その費用も考慮しておかねばなりません。築数十年の住宅や空き家を買った場合、耐震性や耐火性など安全性を高めるための大規模なリノベーションが必要となることも。利便性を高めるために間取りや設備のリフォームをおこなう際も、相応のコストがかかります。
中古住宅は、新築と比べて住宅ローンの審査が厳しいといわれています。これは、建物の資産価値が下がっていることから、金融機関から「担保価値が低い」と判断されてしまうためです。建物の状態や住宅ローンの種類によっては審査に落ちてしまうケースもあります。
新築と中古どちらを買うべきか迷った際は、次のポイントを整理してみてください。
新築・中古ともに、物件の購入費用だけでなく、諸費用がかかります。たとえば次のような項目です。
これらを含めて具体的にどのくらいの費用がかかるのか、あらかじめ項目と金額を把握し、シミュレーションしておくことが大切です。
中古住宅でも、外壁や屋根を修繕したり、水回り設備の工事をおこなったりと、メンテナンス次第で寿命を伸ばせます。築30年以上が経過している場合は、給排水管の取り替えや間取り変更などのリフォームも必要です。ただし、大規模なリフォームをおこなっても、新築住宅を購入するよりも安く済むケースも多いため、コストを抑えたい方は中古+リフォームの選択肢も持っておくことをおすすめします。
新築と中古どちらを選ぶべきかは、「優先順位」によって異なります。たとえば次のようなケースがあるでしょう。
予算やライフステージ、こだわりなどによって優先順位は異なります。住宅購入にあたって何を重視したいのか慎重に考えたうえで、最終的に新築と中古のどちらを選ぶのか決めましょう。
現時点で売れているのは新築住宅ですが、今後はますます中古住宅の需要が増えることが予想されます。新築と中古には、それぞれにメリット・デメリットがあるので、「優先順位」をもとに選ぶことが重要です。コストなのかデザインや設備なのか、あるいは立地なのか、重視したいポイントを考えたうえで、最終的に納得のいく選択をしましょう。
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