「海の近くでの暮らし」は、海好きな人であれば誰しも一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。海の美しく壮大な景色、さざ波の音、マリンスポーツなど、海でのライフスタイルには数多くの魅力があります。
しかし、海の近くに家を建てる際には、環境に応じて気をつけなければならないことがあることをご存じでしょうか。
本記事では、塩害や津波、カビといった、海の近くに家を建てる際の注意点を紹介します。あわせて、都心からアクセスの良い海の近くのおすすめスポットもお伝えしています。「海の近くに家を建てたい」「海の近くの土地を購入したい」「よく聞く”塩害”の対策が知りたい」という方は参考にしてください。
海沿いでのライフスタイルに憧れを抱く方も多くいらっしゃるでしょう。海の近くに家を建てるメリットとして次のものがあげられます。
海水浴やマリンスポーツを身近に楽しめるのは、海の近くに住む大きなメリットです。空いた時間にすぐ海へ行けるため、ダイビングやサーフィンなどを趣味にしている方にとっては、他に代えられないメリットでしょう。子どものいるファミリーや犬を飼っている家庭では、いつでも気軽に海沿いの散歩に出かけられます。
いつでもオーシャンビューを見られることも、海の近くに住む大きなメリットです。空き時間に少し散歩に出かけるだけで大海原を眺められます。夕方になれば、水平線に沈むオレンジ色の太陽も望めるでしょう。
美しい海と空のコントラストが心に安らぎを与えてくれます。観光で海に出かける楽しさとは異なり、実際に住むことで「早朝」や「深夜」の海の景色や音を楽しめるのも醍醐味です。
今では物流の進歩によって内陸でも新鮮な魚を食べられますが、近くで獲れた魚介類をすぐに食べられるのは大きな魅力でしょう。海沿いの街であれば、新鮮な魚が並ぶ市場や魚料理の飲食店、お寿司屋さんなども立ち並んでいるはず。釣りを趣味にしている方にとっては、釣った魚をすぐに調理できるのも魅力です。
海の近くに住むことには多くのメリットがありますが、家を建てる場合、いくつか注意しなければならないことがあります。海の近くへの移住に失敗しないために、具体的な注意点とその解決策をお伝えします。
塩害とは、建物や作物などが「塩分を含んだ風」によって被害を受けることです。建物の外壁が劣化する・自動車の金属が錆びるといった現象が起きます。「ベランダに干した洗濯物がベタベタする」「作物が育ちにくい」といった悩みも塩害が原因です。
この「塩害」は、海の近くに住む最大のデメリットともいえます。事前に塩害のことは知っていたものの想像以上にストレスが大きく、住み始めたものの1年以内に引っ越した、といったケースもあります。
住宅の塩害でもっとも気をつけたいのが「サビ」です。外壁や屋根に付着した塩分が建物を傷めます。サビを放置すれば外壁からサビが侵入し、設備の内部が腐食する場合も。次のような対策をしましょう。
塩害に強い素材を選んだり、こまめに水洗いしたりすることで塩害によるサビを防げます。しっかりとメンテナンスすれば建物の寿命も長くなるでしょう。
塩害と並んで注意しなければならないのが「風の強さ」です。海は陸と比べて空気が暖まりにくいため気圧が高くなります。気圧の高い海から気圧の低い陸へ向かって風が吹くのです。加えて、海沿いの街には風をさえぎる大きな建物がほとんどありません。そのため、塩分を含んだ風が住宅地に直撃することとなります。
海沿いでは強風に見舞われることが多いため、耐風性サッシ(窓枠)や強化ガラスの導入がおすすめです。サッシやガラスの強化は風対策になるほか、強風が吹くことでの波音も防げます。万が一窓が割れてしまった場合でも破片が飛び散りにくいです。雨戸やシャッターの設置も有効な方法といえます。
湿気が多いのも海沿いの街の難点といえます。海が近くにあると、それだけ空気が水分を多く含むため湿度が高くなるのです。湿度が上がれば結露やカビが発生しやすくなります。もちろん住む場所によって環境は変わりますが、海沿いは1年を通して湿度は高い傾向にあるため、オールシーズンでの対策が必要です。
海の近くは湿気が多いため、一般的な住宅よりも入念な湿気対策が必要です。たとえば次のような対策例があげられます。
湿度が高い状態が続くと、カビや腐食が進んでしまいます。建物の寿命を伸ばすためにも、日常的な湿気対策が必要不可欠です。
海沿いのエリアは、自然災害の中でも津波や台風の被害を強く受けやすいです。大地震による津波だけでなく、「高潮」や「高波」による床上浸水や家屋の崩壊リスクも考えておかなければなりません。
台風が接近すればそれだけ海も荒れ、住宅まで被害が及びます。「海沿いに家を建てる」と決めた時点で、自然災害への対策についてしっかりと考えなくてはなりません。
海沿いの街は、津波や台風による強風、高波などの自然災害リスクが高いです。万が一に備えて次のような対策をしておきましょう。
災害発生時にスムーズに対応するためにもハザードマップを確認しましょう。また塩水や潮風、強風による被害を最小限に抑えるためにも、予算の許す範囲で住居内外の設備を整えることが大切です。
ひと口に「海の近く」といっても、土地によって住みやすさや災害リスクは異なります。海の近くに家を建てる際は、次のポイントを意識したうえで土地を選びましょう。
ハザードマップとは、国や自治体が作成している防災用の地図です。災害による被害が想定されるエリアや避難場所、避難経路などが記されており、ハザードマップを見ることで土地の災害リスクや取るべき行動を把握できます。ハザードマップは各市町村の公式ホームページなどで公開されているため、移住前や土地を決める際は必ず確認しておきましょう。
心機一転、土地勘のない海沿いのエリアに住み始める場合、その土地の気候や周辺状況もチェックしておきましょう。気温や湿度をはじめ、「晴れが多い」「雨が多い」といった天候の傾向などまで詳しく確認しておくのがおすすめ。観光客が多く訪れるエリアの場合、ハイシーズンとオフシーズンによる人の増減や治安などもチェックしておきましょう。
災害対策やエリアの周辺状況のほか、アクセスの良さも重要なポイントです。なかには、海の近くに家を建ててそこから都心に通勤する方や、複数拠点を移動する方もいるかと思います。その際、目的地までの距離や公共交通機関の利便性なども考慮したうえで土地を選ぶことが大切です。
最後に、東京都心からアクセスの良い海沿いのエリアをご紹介します。
小田原市は神奈川県の西側に位置する、人口約19万人の市です。南部には相模湾、南西部には箱根連山につながる山々、そして中心部には酒匂川が流れるなど自然に恵まれています。
夏は涼しく冬は暖かく、かつては東海道屈指の宿場町として栄えました。交通アクセスも良く、市内には18の鉄道駅が存在。新幹線やロマンスカーの中継地としても知られ、都心にもアクセスしやすいです。
平塚市は、神奈川県のほぼ中央に位置する市です。市街地から南側には相模湾が広がっており、およそ3.8kmの海岸線が続きます。
東京と小田原の中間に位置するため、都心からのアクセスも良好。電車を使って1時間程度です。海水浴やマリンスポーツを楽しめるほか、大型商業施設や商店街も複数あるため、充実したライフスタイルを送れるでしょう。
逗子市は、神奈川県の南東部に位置する人口約5.5万人の市です。人口で見ると小田原の4分の1程度なので、街全体は落ち着いた雰囲気です。
海水浴やマリンスポーツはもちろん、5月には海岸戦にて花火大会が開催されるほか、披露山のハイキングも楽しめます。山の頂上からは逗子市内や江ノ島、相模湾、富士山などを望めます。
茅ヶ崎市は、神奈川県の湘南地域にある人口約24.5万人の市です。南側には相模湾が広がり、北には里山、中央の市街地には大型商業施設や店舗が立ち並ぶなど、自然と都心がバランスよく共存する街といえます。
都心からも電車で1時間程度で、小田原や熱海など観光地にも簡単にアクセスできます。また、自動車でのアクセスも良好です。圏央道(高速道路)の開通によって茅ヶ崎から各地域へも気軽にアクセスできるようになりました。
海水浴やマリンスポーツをはじめ美しい景色、新鮮な魚介類など、海の近くでの暮らしには多くの魅力があります。その一方で塩害や強い風、津波や高波、湿気の多さなど注意点も多いです。実際に家を建てる際は、塩害の被害を最小限に抑えるために住宅をメンテナンスしたり、ハザードマップを確認したりと、最大限の対策をしておきましょう。
なお、塩害に強い素材として「レンガ」があります。外壁にレンガを使用することで、海水や潮風に含まれている「塩化物イオン」をブロック可能です。
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