ペットと暮らすことを前提として家を建てるなら、愛犬や愛猫が過ごしやすい設計を採用したいですよね。では、人間もペットも住みやすい家にするには、一体どのような条件が必要でしょうか。
本記事では、ペットと快適に暮らすための家づくりについて徹底解説します。そもそもペットと暮らすことにはどういったメリットがあるのか、そしてペットと飼い主の両方にとって暮らしやすい家づくりのポイントも詳しくお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
そもそも、ペットと一緒に暮らすことにはどういった魅力があるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
犬や猫などペットには癒し効果があります。家の中にペットがいて一緒に遊んだり、可愛がったりすると、「オキシトシン」と呼ばれるホルモンが分泌されるのです。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、これは科学的にも証明されています。
オキシトシンに限らず、ペットという存在がいるだけで、寂しさが和らぎ、メンタルも安定するでしょう。日々の疲れを癒してくれる意味で、ペットは大切な存在です。
ペットは大切な家族の一員です。言葉を使って話すことはできませんが、エサをあげたり、可愛がったりすると、人と同じように喜びます。会話はできないものの、話しかけると喜んでくれるうえ、話しかけた側のストレスも和らぐでしょう。また、家に帰れば愛犬・愛猫がいるという精神的な安心感にもつながります。
ペットを飼っていると、家族とのコミュニケーションのきっかけになります。たとえば、「新しいエサをあげたらとても喜んでいた」「散歩に行ったらこんなことがあった」など、ペットに関する何気ない会話が自然とうまれるのです。ペットは家族の関係を良好にしてくれる存在ともいえるでしょう。
家にペットがいることは、子どもの教育にも良いとされています。理由は主に「ペットの世話を通して責任感や自立心が身につく」「命の大切さや思いやりを学べる」の2つです。ペットと暮らすことで、生き物に対する愛着や思いやりが生まれ、それが他者への思いやりにもつながります。
また、犬や猫は人間よりも寿命が短いため、亡くなるところも見届けなければなりません。子どもにとってショックの大きい出来事ですが、命の大切さを学ぶといった意味で、ペットを飼うことは大きな意義があるでしょう。
ペットが快適に過ごせる家とはどういったものなのでしょうか。「ペット目線」での過ごしやすい家の特徴を紹介します。
家全体が、ペットにとって走りやすい動線がどうかは重要なポイントです。一般的には、ペットはリビングにいることが多いかと思います。リビング全体が広いことも重要ですが、ソファやテレビの配置を変えるといった、ペットが走っても物にぶつからない工夫が重要です。家の中に「行き止まり」を作らないように意識しましょう。
住宅に庭のスペースを確保できるなら、ドッグランを作るのがおすすめです。ひと口に「ドッグラン」といっても、土地の条件や広さによって異なります。目安としては、小型犬の場合で、100平方メートル、畳数にして60畳程度が必要とされています。大型犬の場合はさらに面積が必要です。
ドッグランを設置する費用の目安は20~70万円程度。既存の庭をドッグランに置き換える場合、掘削やすき取り、排水設備の工事、防草シートなど下準備が必要となります。
ペットも人間と同じように食事をしたり、トイレをしたりします。整った空間での睡眠も大切です。そのため、水飲み場、寝る場所など、室内にペットの居場所を設置しましょう。
居場所を設置することは「しつけ」にもつながります。ペットコーナーそれぞれの定位置を決めることで、ペットも場所を覚えられるようになるでしょう。
犬の場合は散歩ができますが、猫は基本的に散歩しないため、外を眺めたり、太陽の光を浴びたりできる窓やバルコニーが必要です。猫の場合は、太陽光が差し込んだ窓の近くで寝ることも多いでしょう。
ペットたちが快適に過ごせるためにも大きめの窓や、少し外に出られるバルコニーの設置を検討してみてください。
ペットも生き物なので、空気や温度といった外的環境にも影響を受けます。犬や猫は分厚い毛で覆われているので人間ほど環境変化に敏感ではないものの、夏は涼しく、冬は暖かくは意識すべきでしょう。
温度だけでなく空気循環も大切です。定期的に換気をしたり、空気清浄機を取り入れたりして、快適な空間を作りましょう。
犬を飼う場合、頻繁に散歩に出かけるため、散歩から帰ってきた後に足を洗える場所を設置しましょう。とはいっても、足を洗うためだけの大がかりな設備は必要ありません。たとえば、玄関付近や庭に簡単な蛇口を設置したり、ホースを伸ばしてすぐに足を洗える環境を整えたりといった方法があげられます。
ペットにとって快適な家を作ることは大切です。しかし、ペットを優先しすぎて飼い主のストレスになっては意味がありません。ここではペットと飼い主が快適に過ごすためのコツをご紹介します。
ペットを飼うとなれば、関連してペット用品も必要となります。エサやトイレ砂のストック・おしゃれ用の服・おもちゃなど、ペット用品は意外と多いです。そのため、ペット用品を置く専用のスペースを確保しましょう。
周辺に乱雑に用品を置くと、ペットが勝手に食べてしまったり、かえって掃除が大変になったりします。ドアや扉で収納できる形式のスペースがおすすめです。
ペットと生活をしていると、エサや水をこぼしたり、吐き戻したりすることが日常茶飯事です。しつけが済んでいてもトイレに失敗することもあります。
ペットと暮らす以上、毎日何かしらの事情で汚れるので、汚れても掃除しやすい床材にするのがおすすめです。フローリングやクッションフロア、フロアタイルなどがあげられます。
犬や猫を家の中で飼っていたとしても、鳴き声や走り回る音で近隣の人に迷惑をかけてしまう場合があります。ペットが原因の騒音や振動がご近所トラブルにつながるケースも多いため、対策をしっかりとおこないましょう。
予算に余裕がある場合は、住宅を建てる際に防音や騒音を意識した床材・壁材にするのがおすすめです。もしすでに家を建てている、あるいは予算に限りがある場合は、後から取り付けられる防音マット、振動マットを使うのが良いでしょう。
とくに猫は高いところが好きなので、テーブルやキッチンなど色々なところに登りがちです。高いところにジャンプすることが事故の原因になる場合もあります。
また、ソファで爪を研いだり、走り回って物にぶつかったりすることも多いでしょう。猫や犬を飼っていると、そうした「イタズラ」は多々起こります。そもそもイタズラをされないような工夫や、イタズラされてもすぐに対処できる工夫をしましょう。
家を留守にする場合のペット対策もしておきましょう。家の中には、人間は大丈夫でもペットにとって危険なことはたくさんあります。
たとえば、猫に健康被害を与える食べ物だったり、人間が常用する薬だったりさまざまです。何も対策していないと、留守の間にペットが誤って食べてしまい、それが事故につながる可能性も多いに考えられます。
包丁やカッター、ハサミなども、ペットの手の届くところに置きっぱなしにするのは危険です。細心の注意を払ったうえで、留守中の対策をしましょう。
本記事では、ペットと暮らす家づくりについて次のポイントを中心にお伝えしました。
ペットは、話し相手になってくれたり、日々の疲れを癒してくれたりと、日々の生活を豊かにしてくれる大切な存在です。ただし、ペットと暮らすうえでは、ペットと飼い主の両方にとって暮らしやすい間取りや動線、ペットの居場所や収納スペースについてよく考える必要があります。ぜひ本記事の内容を、家づくりにお役立てください。
なお、神奈川を拠点にレンガ住宅の建築やリフォームを展開している当社「せらら工房」では、ペットとの暮らすための最適なプランをご提案可能です。高気密や高断熱、さらには防音に対応しているおしゃれな注文住宅に興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。