家を建てるにあたり、対象となる補助金制度があるならぜひ活用したいですよね。2025年に住宅を新築する際に活用できる補助金制度として「子育てグリーン住宅支援事業」があることをご存知でしょうか。
子育てグリーン住宅支援事業の補助額は、住宅の種類によって異なり、最大補助額の対象となるためには「GX志向型住宅」である必要があります。
そこでこの記事では、GX志向型住宅とはどういった住宅なのか、基準とメリット・デメリット、ZEH住宅や長期優良住宅との違いなどを詳しく解説します。
「補助金を使って家を建てたい」「GX志向型住宅を建てるための基準を知りたい」とお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
GX志向型住宅とは、GXの考え方を取り入れ、環境と経済の両面を満たした住宅を意味します。
GX志向型住宅における「GX」とは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の頭文字をとった用語です。化石エネルギーからクリーンエネルギー(環境に負荷のかからないエネルギー)へ転換することで、地球温暖化対策と経済成長の両立を目指す取り組みのことです。
経済産業省が主体となり、国をあげてGXへの取り組みが進められています。
GX志向型住宅は、国の住宅補助事業のひとつである「子育てグリーン住宅支援事業」に深く関わっています。子育てグリーン住宅支援事業とは、2050年のカーボンニュートラル実現のために、住宅の省エネルギー化を進める事業です。同支援事業では、「GX志向型住宅」に対して、1戸あたり最大160万円の補助を受けられます。
GX志向型住宅の定義や補助金との関係をお伝えしました。続いて、「GX志向型住宅」の具体的な基準を解説します。基準は大きく4つあります。
断熱等級とは、住宅における断熱性能のレベルのことです。正式名称は「断熱等性能等級」と呼ばれ、国土交通省が基準を設けています。等級1〜7まで設定されており、「UA(ユー・エー)値」と「ηAC(イータ・エー・シー)値」の2つで判断されます。
数値名 | 意味 |
---|---|
UA(ユー・エー)値 | 「外皮平均熱貫流率」のこと。外壁や天井など住宅の外皮から逃げる熱を数値化したもの。 |
ηAC(イータ・エー・シー)値 | 「冷房期の平均日射熱取得率」のこと。太陽からの熱がどのくらい室内に入りやすいかを数値化したもの。 |
GX志向型住宅では、この断熱等級が「6以上」と定められています。UA値でいえば「0.46以下」が基準です。
一次エネルギーとは、冷暖房や照明、給湯など暮らしで使うエネルギーのことです。GX志向型住宅では、再生可能エネルギーの消費量を除いた、一次エネルギー消費量を35%以上削減する必要があります。
GX志向型住宅では、太陽光発電パネルや蓄電システムなど、再生可能エネルギーを生み出す設備の導入が求められます。高性能給湯器「エコキュート」や「エコジョーズ」なども含まれるので、条件を確認しましょう。
GX志向型住宅では、一次エネルギーの削減量と、再生可能エネルギー設備で生み出したエネルギー量を合わせて100%以上とすることが必要です。ただし、寒冷地エリアの住宅の場合、基準は75%以上となります。
GX志向型住宅と比べられるものとして、「ZEH住宅」「長期優良住宅」があります。それぞれの違いについて詳しく解説します。
ZEH住宅とは、年間の一次エネルギー消費量の収支を、ゼロもしくはマイナスにできる住宅のことです。屋根や壁などを高断熱化したり、省エネ設備を導入したりすることで、エネルギー消費を最小限に抑えます。また、太陽光発電などでエネルギーを創り出す(創エネ)ことで、消費したエネルギーの相殺を目指します。
住宅補助金「子育てグリーン住宅支援事業」ではZEH住宅も対象となっており、条件に合致することで40~60万円の補助を受けられます。
長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の条件をクリアした住宅のことです。劣化対策や耐震性、省エネルギー性など条件がいくつかあり、所管行政庁に申請し、認定を受けることで長期優良住宅として認められます。条件を満たすことで、税制面や住宅ローン面などで多くの優遇を受けられます。
なお、GX志向型住宅やZEH住宅と同じように、住宅補助金「子育てグリーン住宅支援事業」の対象です。条件によって80~100万円の補助を受けられます。
GX志向型住宅を建てるメリットとして、次の5つがあげられます。
冒頭でお伝えしたように、GX志向型住宅は住宅補助金「子育てグリーン住宅支援事業」の対象であり、1戸あたり160万円の補助を受けられます。
同じ補助金制度でも、長期優良住宅の場合は80~100万円、ZEH住宅の場合は40~60万円です。GX志向型住宅では、求められる性能水準が高い分、高額な補助を受けられます。
また、補助事業には「子育て」とありますが、GX志向型住宅の場合は、子育て世帯以外も申請が可能です。
GX志向型住宅では、太陽光パネルの設置による再生可能エネルギーの活用や、省エネルギー技術の活用によって、エネルギー効率の大幅アップが期待できます。その結果、光熱費の削減が可能となるのです。
また、断熱性や気密性が高く、環境に優しい住宅は、一般的な住宅と比べて長持ちします。建築コストは高くなる傾向にありますが、ランニングコストを抑えられるため、長期的・総合的にコストパフォーマンスの良い住宅を手に入れられるでしょう。
GX志向型住宅では、住宅のエネルギー効率を高められるため、環境への不満を減らしながら、快適な暮らしを実現できます。再生可能エネルギーを導入すれば、みずからでエネルギーを賄えるため、自給自足が可能です。
GX志向型住宅は、断熱性・気密性に長けています。室内と室外の温度差を少なくすることで、ヒートショックのリスクが軽減され、健康的な暮らしを実現可能です。ほかにも、換気設備を整えたり、自然素材を活用したりすることで、アレルギーをはじめとするさまざまな体調不良のリスクも抑えられます。
GX志向型住宅では、「太陽光パネル」や「蓄電池」を設置するケースが多いです。高性能な給湯器「エコキュート」を設置する家庭も多いでしょう。
これらの設備は災害時にも役立ちます。太陽のパネルや蓄電池は電気を、エコキュートはお湯を貯めることが可能です。万が一地震や台風など災害が起きた際も、電気やお湯に困ることなく、生活を維持できます。
GX志向型住宅を建てることには多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。とくに次の3つには注意しましょう。
GX志向型住宅の基準を満たすためには、太陽光パネルや蓄電池、エコキュートなど省エネ性能の高い設備の導入が求められます。さらに、家全体に高性能な断熱材の使用が求められるため、一般的な注文住宅と比べて建築コストが高くなりやすい傾向にあります。
GX志向型住宅は、高性能な断熱材やサッシ、蓄電池、給湯器といった省エネルギー設備の利用を前提としています。代表的な設備である「太陽光パネル」では、スペースや費用面などでリスクとなる場合が多いです。たとえば、次のようなケースがあります。
パネルを設置しても、うまく運用できなければ意味がありません。太陽光パネルに関しては、設置後の運用を踏まえて導入を検討しましょう。
GX志向型住宅の条件として、住宅の性能だけではなく、家を建てる土地の状況も関係します。たとえば、土砂災害特別警戒区域に当てはまるエリアや、浸水想定地域に該当するエリアなどに建っている住宅は、GX志向型住宅の対象外です。また、住戸面積は50〜240平方メートルと定められており、これ以下・以上だと対象外となります。
本記事では、GX志向型住宅について、次のポイントを中心にお伝えしました。
GX志向型住宅は、断熱等級6以上や再生可能エネルギー設備の設置など基準は高いですが、長期的なコストや快適な暮らしを考えると、その価値がある住宅といえるでしょう。補助金制度を活用したい場合は、工務店やハウスメーカーと諸条件を確認しながら検討してみてください。