マリンスポーツを趣味にしている方や、海の近くでの生活に憧れを持つ方なら、一度は「サーファーズハウスに住んでみたいな」と考えることでしょう。
個性的な雰囲気のあるサーファーズハウスですが、実現するためには家をどのように設計するとよいのでしょうか。
この記事では、サーファーズハウスの外観・内観の特徴や建築費用、サーファーズハウスを建てる際のポイントなどについて解説します。
ぜひ本記事の内容を、理想の家づくりにお役立てください。
サーファーズハウスとは、アメリカの西海岸にあるカリフォルニア州の、温暖な気候や海の街をイメージしてつくられた住宅のことです。
サーファーズハウスと聞くと「サーフィンを趣味とする人たちの家」「マリンスポーツを楽しむための家」をイメージする方が多いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。海沿いの暮らしに特化させつつ、好みのデザインやライフスタイルに合った間取りを選択するケースも多いです。
サーフィンが好きな人はもちろん、自転車やアウトドアが趣味の人、ゆったりとした空間で家族や友人などと過ごしたい人などから人気を集めています。
サーファーズハウスの外観の特徴として、次のものがあげられます。
カバードポーチとは、アメリカやカナダなど北米でよく見られる、屋根の付いた玄関やデッキのことです。日本の伝統的な「縁側」に似たスペースで、デッキが広く設計されており、屋根の付いた広い空間でくつろげます。強い日差しや雨を避けながら、家族でゆっくりと過ごしたり、庭先で軽作業ができたりします。
サーファーズハウスは、玄関やバルコニーなどを南側に広く設けるために、建物を東西に長く設計するのが特徴です。東西に勾配をつけるように屋根を覆うようなイメージです。
サーファーズハウスでは、強い日差しを避けるために、家全体の重心を低く設計する傾向にあります。2階建ての住宅だったとしても、屋根の左右両端は1階部分と変わらない高さまで低くするといった、どっしりとした家構えになるのが特徴です。この「低重心」な見た目は、サーファーズハウスならではといえます。
サーファーズハウスでは、庭に芝生を敷いたり、植栽をしたりする人も多いです。芝生や植栽を施すことで、住宅だけでなく庭先も含めて、自然豊かで開放感のある空間を作り上げられます。
サーファーズハウスの外観の特徴をお伝えしました。続いて「内観」や「間取り」の特徴を紹介します。
サーファーズハウスでは、日当たりを良くするために、リビングや玄関を南向きに配置します。リビングを抜けるとデッキにつながっており、デッキのすぐ脇に玄関ポーチを配置するのが一般的です。住宅の出入り口を「南」に置くことで日当たりが良くなり、開放感が生まれるのです。
サーファーズハウスには、サーフィンをはじめ、シュノーケリングやSUP(サップ)など、マリンスポーツに特化した設備もあります。たとえば、サーフボードやSUPのボードをおしゃれに飾れるスペースがあったり、簡易的にシャワーを浴びられるスペースを設置したりとさまざまです。日頃からマリンスポーツを楽しめるような工夫や施工がされています。
人によって色の好みは異なりますが、サーファーズハウスの内外観では「ホワイト」や「ライトブルー」が使われることが多いです。これらの色は海や空をイメージできる、かつ主張も強くない優しい色といえます。ホワイトやライトブルーは、内装はもちろん、外壁や屋根にも用いられることが多いです。
サーファーズハウスには、「モール(モールディング)」と呼ばれる太い窓枠が採用されることが多いです。枠自体が太いことはもちろん、光や影で窓にメリハリを付けるような工夫がされています。
サーファーズハウスでの暮らしに向いている人の特徴として、次のものがあげられます。
サーファーズハウスは、サーフィンや自転車、バイク、そのほかアウトドアを趣味としている人にとって、使い勝手が良い住宅といえます。また、玄関やデッキが広く使いやすいため、ペットを飼っている人にもおすすめです。
サーファーズハウスの建築費用は、住宅の広さやデザイン、使用する素材などによって大きく変動します。一般的な住宅と同じように、1,000万円台で建てられる場合もあれば、4,000〜5,000万円程度かかる場合もあるでしょう。
ただし、玄関やデッキが広かったり、塩害対策として外壁に特殊な施工をおこなう必要があったりするので、一般的な住宅と比べてトータルコストは高くなる傾向にあります。デザインや必要な設備と予算を踏まえたうえで、理想のサーファーズハウスを建てましょう。
塩害対策については以下の記事でも詳しくご紹介していますので、よろしければあわせてお読みください。
>>海の近くに家を建てる際の注意点は?塩害・津波・カビなどの対策や土地選びについて解説
サーファーズハウスを建てる際のポイントとして、次の3つがあげられます。
明確な定義はありませんが、サーファーズハウスらしい見た目を意識するなら、「カバードポーチ」「切妻屋根」「太い窓枠」の3つを押さえましょう。切妻屋根(きりづまやね)とは、左右に落ちるように設計された屋根です。
広々とした玄関やデッキのカバードポーチ、建物を覆うような大きな切妻屋根、そして太い窓枠。この3つを押さえることで、サーファーズハウスらしさが際立つでしょう。
サーファーズハウスは、カリフォルニアの温暖な気候に適した住宅です。サーフィンや自転車など「暖かい夏」を想定した設計になっているため、冬場の寒さ対策がおろそかになりがちです。開放感を意識するあまり気密性の低い住宅になるといったケースも少なくありません。冬は冷たい潮風が当たるので、寒い冬も想定した住宅設計をしましょう。
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際、その業者が「サーファーズハウス」の実績をもっているか確認しましょう。サーファーズハウスには特殊な設計が必要なうえ、海沿いエリアでは塩害を防ぐための対策も必要です。海沿いの住宅に強いハウスメーカーや工務店もあるので、事前にしっかりとリサーチしましょう。
サーファーズハウスは、海の近くで暮らすうえで快適な環境を実現してくれますが、一方で注意すべきこともあります。とくに以下の2つには注意しましょう。
サーファーズハウスは、リビングが広かったり、吹き抜けがあったりと空間が広いため、冷暖房が効きにくいといった難点があります。風通しが良いため夏は快適ですが、冬は寒くなりやすいため注意が必要です。
サーファーズハウスは、一般的な住宅よりも広めの土地を確保する必要があります。加えて、海岸から徒歩〇〇分圏内などサーフィンに便利なエリアを指定する場合、土地探しは難航するでしょう。インターネットで調べるだけでなく、地元の不動産会社に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
最後に、実際に建築されたサーファーズハウスの事例を紹介します。
弊社せらら工房がデザインした、神奈川県横須賀市のサーファーズハウスをご紹介します。
ウィンドサーフィンの世界選手権が開催される地域の近くに建てられた家で、ホワイトとブルーを基調とした内観やデザインを特徴としています。外壁は、耐久性や気密性に優れた「レンガ」を採用しています。レンガは塩害にも強いとされており、一般的な住宅と比べてメンテナンス頻度も少ないです。
二世帯住宅であることから、それぞれの家族のこだわりやライフスタイルに合わせて、内装や設備を変化させています。室内はホワイトを基調とし、天井の高い開放感のある空間に仕上げているのが特徴です。
外観はレンガによって存在感が増し、太い窓枠も採用しています。また、庭先にはヤシの木を植えるといった、サーファーズハウスらしい住宅になっています。
>>サーファーズハウスの施工事例について詳細はこちら
本記事では、サーファーズハウスについて、次のポイントを中心にお伝えしました。
サーファーズハウスは、一般的な日本の住宅とは異なるデザインで、海の近くに住む方やマリンスポーツ・アウトドアを楽しみたい方におすすめの住宅様式です。しかしながら、冬の寒さに弱かったり、工法やデザインが特殊でありコストが膨らみやすかったりと難点もあります。
サーファーズハウスを建てる際は、サーファーズハウスの実績が豊富な業者を見つけ、施工内容をすり合わせることが大切です。
神奈川県の工務店「せらら工房」は、塩害対策を施したレンガ積みのサーファーズハウスをデザインいたします。海の近くに家を建てたい方や、マリンスポーツを楽しめる家をご希望の方は、お気軽にご相談ください。