間取りや性能、デザインにこだわって高級住宅を建てるなら、外観に関しても満足のいくデザインをつくりたいですよね。しかし、高級住宅にふさわしい外観にするには、どのようなポイントを押さえるべきかわからず迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、家の外観をおしゃれにするために知っておきたい、テイストの種類や色・素材などの選択肢などを解説します。
高級住宅の外観に共通する特徴について、次の4つをご紹介します。
モダンテイストとは、現代的や当世風といった意味の住宅のテイストです。具体的には、外壁にコンクリートやタイルなどを用いることで、「無機質で今っぽい」雰囲気を演出します。
モダンテイストな住宅は「シンプル」や「モノトーン」といったテーマで建てられることが多く、高級感のある外観を演出できることに加えて、無機質であることからデザインや家具の選択肢も多くなります。
エレガント・クラシックとは、優雅さや古風さを意識した住宅のテイストです。ヨーロッパの建築様式がイメージしやすく、建物自体に「品格」が生まれやすくなります。
エレガント・クラシックな住宅は、丸みを帯びているのが特徴で、外壁には石材やレンガを用いるケースが多いです。ほかにも、門扉や窓枠にアイアンを用いたり、内装にアーチ状の階段を設置したりする傾向があります。
インダストリアルとは、簡単にいえば「工業」を意識した住宅のテイストです。コンクリートやスチールといった素材を、あえてむき出しにすることで、工業製品のような無機質でシンプルなかっこよさを表現します。
どこかヴィンテージな雰囲気がありながら、存在感のある独特な佇まいが特徴です。芝や植栽といった自然とマッチするのもインダストリアルテイストの特徴といえます。
海岸沿いのリゾート地を意識した住宅のテイストです。開放感や自然との調和をベースに設計することで、ハワイやグアムなど海外の高級リゾートに住んでいるような雰囲気を演出できます。
リゾートテイストな住宅の外観には、石材や木材など自然素材が用いられることが多いです。自然とマッチさせるためにホワイトやベージュといった自然なカラーが使われるほか、アクセントカラーを入れて「ヴィラ」のように仕上げることも可能です。
住宅の第一印象は「外観」で決まりますが、外観のメインとなる外壁材にはさまざまな種類があります。ここでは、高級住宅らしさを決める外壁の種類と特徴を紹介します。
左官材とは、左官職人が外壁を塗り上げる際に利用する素材の総称です。具体的には、漆喰や珪藻土、モルタルなどの素材があげられます。
左官材は、水や空気中のガスに触れることで化学反応を起こし、自然に固まるのが特徴です。また、左官材を塗り上げる際、あえて「ムラ」を残すことで高級感を演出します。
左官材はホワイトやベージュ、アイボリーなどカラーバリエーションが豊富です。カラー次第で住宅の佇まいや雰囲気を自由自在に変えられます。一方で、キズや汚れがつきやすいのがデメリットです。
タイルは、石や粘土などを高温で焼き固めた建材です。レンガ調や天然石を模したもの、柔らかい雰囲気のものなど、タイルにはさまざまなバリエーションがあります。
種類が豊富なので、モダンからエレガント、クラシックなど、さまざまな雰囲気の高級住宅に対応できるでしょう。雨風に強いことや、ムラがないといったメリットがある一方で、タイル自体が重くなりやすい、コストが割高になるのがデメリットです。
天然石とは、文字どおり自然界で醸成された鉱物や岩石を総称したものです。高級住宅にも多く利用され、石がもつ質感だけで「上質さ」や「存在感」を演出できます。
ただし、吸水性の高い天然石を取り入れた場合、汚れやすいので注意が必要です。シミやひび割れを防ぐためにコーティング処理が必要といった難点もあります。
ガルバリウム鋼板とは、金属の鋼板をアルミニウムやシリコン、亜鉛などでメッキ処理したものです。カラーバリエーションが多く、加工性も高いことから、高級住宅にもよく用いられます。
腐食に強かったり、耐熱性や熱反射などに優れていたりするのがメリットですが、素材自体が軽くてデリケートな分キズがつきやすいのが難点といえます。
窯業サイディングとは、セメントと繊維質を混ぜ合わせて窯で焼き固めた素材のことです。外壁には「仕上げ用の板材」として用いられることが多く、タイル調やレンガ調、コンクリート調など好みのイメージにあわせて合わせてデザインを変えられます。
カラーバリエーションが豊富なうえ、汎用性が高いのがメリットです。色褪せや汚れにも強いですが、熱がこもりやすい、防水性が低いといった難点があります。
高級感に加えて「重厚感」や「存在感」「クラシカル」といった雰囲気を加えたいなら、レンガがおすすめです。レンガとは粘土や泥、頁岩(けつがん)を直方体の型に入れて窯で焼き固めたものです。
外壁をレンガで覆うだけで高級感や存在感が生まれるうえ、耐熱性や蓄熱性にも優れています。レンガ自体が耐久性に優れているため強い住宅を作りやすく、ほかの外壁と比べてメンテナンスの頻度も少ないです。また、見た目が劣化しにくいのもレンガの特徴といえます。
ただし、蓄熱性に優れていることから夏場は熱がこもりやすい、施工自体に時間がかかりがちなのがデメリットです。
続いて、高級住宅で参考にしたい外観の事例を紹介します。
高級感あふれる「白レンガ」の住宅です。外観は白レンガで覆われており、随所にレンガを突出させることで、住宅の立体感や存在感を強調しています。
住宅の入り口にはアイアン門が設置されていることから、さらなる重厚感や高級感が演出されています。
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重厚感のある「赤レンガ」の高級住宅です。1階部分はガレージ式の駐車場と玄関を、2階3階が居住スペースとなっています。
1階上部にバルコニーを設置し、2階以上から外壁を赤レンガにすることで、ヨーロッパのお城のような雰囲気が演出されています。バルコニーにはライトが設置され、夜間でも高級感が演出される仕様になっているのが特徴です。
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画像引用:iezoom
外壁にガルバリウム鋼板を用いた高級住宅です。一級建築士が住宅をデザインし、1階部分は職人による塗り壁に、2階・3階部分には風合いのガルバリウム鋼板が用いられています。
正面の外壁はブラウンをベースとした落ち着いた外壁に仕上げられており、縦型で大きな窓や奥行きのある玄関など、モダンなデザインが特徴です。
画像引用:RIVIERA
外観や内装に天然石を用いたラグジュアリー住宅の事例です。
外観はアイボリーの柔らかな色合いに仕上げられているほか、脈模様によってナチュラルさや高級感を演出しています。所々に木目調が取り入れられているのもポイントといえるでしょう。
高級住宅のデザインを決めるうえで「外壁」はとても重要ですが、ほかにも「高級感」を演出できる要素はあります。
高級住宅の外観を決める際は、次のポイントにも注意しましょう。
住宅のイメージを決める要因として、周囲の風景や街並みも影響します。一つひとつの住宅が風景や街並みを形作るため、個性や奇抜さが突出しすぎると、かえって周辺からの印象は悪くなってしまうでしょう。
周辺の住宅との協調や調和を意識したうえで住宅のデザインを考えることが大切です。
高級住宅の外観を設計する際は、昼だけでなく「夜」の見栄えも意識しましょう。
外壁そのものの色合いはもちろん、ガレージや門扉の照明なども工夫したいポイントです。アッパーライトを活用して陰影をつけるなど、夜でも高級感を出すための工夫をしてみてください。
工務店によって強みや特徴が異なるため、複数業者を比較検討することが大切です。モダンな住宅が得意なところやレンガ外壁が得意なところ、腕の優れた左官職人やデザイナーが在籍している工務店など強みは異なります。
それぞれの強みや特徴を理解したうえで、目的や理想に合った家づくりを実現してくれる工務店を選びましょう。
本記事では、高級住宅の外観について次のポイントを中心にお伝えしました。
ひと口に高級住宅の外観といっても、さまざまなテイストがあり、人によって好みも異なります。目的や予算、周辺環境などの要因を踏まえてうえで、理想の住宅をつくりましょう。