日本建築とヒノキの力
日本建築において、ヒノキ(檜)は古来より特別な存在とされてきました。伊勢神宮をはじめとする社寺建築には、耐久性・香気・美しさの三拍子を備えたヒノキが多用されてきたことは広く知られています。実際、ヒノキは大変長持ちするともいわれ、風雨にさらされても強靭さを保ち続ける希少な木材です。私たちレンガ積みの家せらら工房でも、土台をヒノキで採用させて頂いております。
ヒノキの芯持材の強さ
弊社建築において採用している「ヒノキの芯持材」は、丸太の中心部を含む構造材のことを指します。芯持材は木の中心に近い「赤身」を含むため、耐朽性が高く、シロアリにも強いとされます。特に土台部分に用いることで、建物全体の耐久性を大きく高める効果があります。
ヒノキ風呂と癒しの文化
日本人にとって「ヒノキ風呂」は単なる浴槽ではなく、精神的な安らぎをもたらす空間です。ヒノキの放つ芳香成分にはリラックス効果があるとされ、森林浴と同じように心拍数や血圧を安定させる働きが報告されています。古代から現代に至るまで、入浴文化とともにヒノキが人々の生活を支えてきた背景には、こうした科学的な根拠が存在するのです。
ヒノキと歴史的背景
飛鳥・奈良時代にはすでにヒノキ材が国家的な建築に用いられており、平安京の宮殿や寺社にもふんだんに使われました。江戸時代には「ヒノキ一等、スギ二等」と格付けされるほど最高級の建材とされ、武家屋敷や城郭建築に利用されました。このように、ヒノキは日本建築史と切っても切れない存在です。
ヒノキ成分と効能 ― アルファカジノール
ヒノキ特有の芳香は「テルペン類」と呼ばれる揮発性成分によってもたらされます。その中でも代表的なのが「α-カジノール(アルファカジノール)」です。α-カジノールには抗菌作用・防虫作用があることが知られ、ヒノキがシロアリやカビに強い理由の一つとなっています。また近年では、ヒノキ精油の成分がリラクゼーションや免疫機能の向上に寄与する可能性も研究されています。
こうした特性を踏まえると、ヒノキは単なる建材ではなく「人と暮らしを守る天然の技術」であるとも言えます。弊社が土台にヒノキの芯持材を選ぶ理由は、単なる伝統へのこだわりではなく、科学的根拠と歴史的信頼に裏打ちされた選択なのです。
横浜市で健康住宅・高性能住宅を標榜する私達、横浜赤レンガの家せらら工房のこだわりの一つでもあります。